引用方法

ヨン・リーラン、アルビン・リム・エンフイ、滝口健、
ファン・ハヨン、リー・チーキン、末松美知子、小林かおり、
イ・ヒョンユ「アジアン・シェイクスピア・インターカルチュラ
ル・アーカイブ(A|S|I|A)」2.0エディション、ウェブサイト、2015年。
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ビジョン

アジアの演劇文化は、シェイクスピアが自らの作品に具現化した思想を、様々な形で捉えてきました。西洋演劇の古典として。国を超え、世界中にもっとも大きな影響を与えている劇作家として。文化的な遺産として。あるいは、英語という言語の最高の手本として。

アジアン・シェイクスピア・インターカルチュラル・アーカイブ(A|S|I|A)は、様々な協力者の共同作業により、東アジアおよび東南アジアのシェイクスピア上演手法を、多言語のオンライン・データベースと資料のアーカイブを通じて紹介しようとするものです。主な利用者として想定しているのは、研究者や実践者、教育者、学生、さらにはインターカルチュラルな演劇やシェイクスピアを愛好する一般の方々です。これらの作品が持つ複雑さ、発展性、多様性をご理解いただけるよう、A|S|I|Aは、以下の構成要素を統合して提供しています。

• 各作品の完全なストリーミングビデオ映像。これには、

• 原語の台本に加え、英語、中国語、日本語、韓国語の翻訳が付され、一言語あるいは複数の言語で上演作品を観ることが可能です。さらに、

• 英語、中国語、日本語、韓国語で作成された検索機能付きデータベースが提供されます。このデータベースは演劇文化の交流をもたらす共同作業のプロセスにより生み出されました。

アーカイブの資料とツールは、全体として、アジアにおけるシェイクスピア上演作品の、正確で、文化という文脈に関連付けられた比較体験の基盤提供をめざしています。

(1)ある作品固有、あるいはその文化特有の表現様式、参照項目、演出上の特色、シェイクスピア戯曲を脚色するアプローチなどに見られる選択が、他の多様な選択肢との関係においてはっきりします。

(2)シェイクスピア作品の様々な上演手法の関連性や特異性を明らかにすることで、地域の言語や国を超えて統合された上演実践の領域においてそれらの上演の演出を位置づけることが可能になります。また、各上演作品に固有の要素を、芸術・表現様式カテゴリーの円グラフを利用して比較することができます。

A|S|I|Aは、それ自体が上演のデジタル・アーカイブ化のためのインターカルチュラルな実践的探求です。用いられている4つの言語の環境は完全に同一であり、利用者はいつでも言語を切り替えることができます。この仕組みによりアーカイブを利用した単一言語によるリサーチを行うことが可能ですが、同時に、他の言語における付随的な位置関係を考慮し、それらと関わる形でのリサーチも可能です。複数の言語とそれを用いるコミュニティの1ドメイン上での統合は、上演作品とそれを生み出し、鑑賞し、アーカイブ化し、研究するコミュニティのインターカルチュラル・パフォーマティヴィティに対応し、それを拡大するのです。アーカイブ内の資料を用いたプレゼンテーション、eラーニング、ユーザー同士の交流を容易にするツールも現在準備中です。

A|S|I|Aは、所属するコミュニティと関わりながらの共同作業により作られて来ました。制作チームは、国籍や年齢も様々なメンバーで構成されており、研究者、実践者、翻訳者、学生、技術者などが含まれています。シンガポール教育省、独立行政法人日本学術振興会からの多大な助成と地域の劇団・演劇人からの寛大な支援無くしては、実現は不可能でした。